2023年鑑賞記録まとめ
2023年の映画や舞台、漫画などを色々振り返る。
別枠グランプリ『進撃の巨人』
これはもう別枠。2023年はなんといっても進撃を色んな角度で楽しんだ。
振り返ると今年の初めに撃ミュを映像で観ている。全肯定タイプの方には申し訳ないのだけど、正直にいうと楽曲や演出、キャストの歌唱力などに様々な課題を感じながら観た。もちろん成功しているシーンもある。2.5次元のミュージカルを観たのが初めてだったのでよい経験だった。
この距離感と姿勢で観たので、いわゆる原作となる漫画をあとで読んだときにいい意味で打ちのめされた。春先から夏までは仕事が忙しすぎて顔にずっと諫山線が入っていたのだけど、夏休みに一気読みをして以来、進撃関連を満喫しすぎるくらい満喫している。ビッグコンテンツなので色んな角度から楽しめるし、関連作品や映像も多い。
大体、自分が一気読みをして絵を描いて秋には日田旅行をして冬に感想本を出すなんてジェットコースターになるとは思いもしなかった。めちゃくちゃ楽しんでいる人になった。
以下順不同でよかったものを。
〇映画
THE FIRST SLAM DUNK
フォール/FALL
ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り
さらば、我が愛/覇王別姫
パール
ナイアド
ベネデッタ
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映画は配信ふくめて。というか、印象に残ったものはほとんど配信。この中では『ナイアド』が今年のベストかもしれない。Netflixで観られます。アネット・ベニングとジョディ・フォスターという強すぎる布陣にリス・エヴァンズの一歩下がって付き添う感じがとてもよかった。実在のレズビアンの水泳選手・60代・すごく困った人というガッツのある中年女性の話なんだけど、ロマンスに走らないところもとても好みだった。
〇ドラマ
キラービー
夏目漱石の妻
デッドロック 女刑事の事件簿
グッド・オーメンズS2
セックスエデュケーションS4
アッシャー家の崩壊
ブラッシュアップライフ
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ドラマが苦手だったのに、こんなに堪能できる人間になって…!『The Last of Us』ep3は伝説になるんじゃないかな、むちゃくちゃ泣いた。この中だと『デッドロック 女刑事の事件簿』にベストをあげたい。レズビアンの刑事が大活躍で下品で面白くてとても良かった。
〇舞台映像
METライブビューイング『めぐりあう時間たち』
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これはぜひ実際の舞台を観にNYに行きたいですね。ただ、ルネ・フレミングが全然編集者に見えないところは気になっている。ジョイス・ディドナートのウルフがたいへんよかった。キャスリン・オハラがあんなに素晴らしいソプラノだと認知していなくて驚きました。
……とここまで書いて気づいた。全部レズビアンの活躍する話ばかり選んでいる! 実際どれも素晴らしかったんだけどね。というか、私がエンタメで求めているのは男の話よりいろんな女(といろんな性の人間)の話だからこうなっているというのもあるな。
〇舞台・コンサート
コリン・カリーグループ「18人の音楽家のための音楽」
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コリン・カリーグループはたまたまTLで見かけてなんで見逃していたんだと慌ててチケット取ったのだけど、ほんとうに行けて良かった。ねじまき鳥は舞台として面白かったし原作も愛しているけど、やはりどうしたって女性への暴力と客体化は立ち上り方が残酷だと感じた。
〇展示
アーティゾン美術館 ジャムセッション石橋財団コレクション×山口晃「ここへきて やむにやまれぬ サンサシオン」
MOT豊嶋康子「発生法─天地左右の裏表」
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展示自体の良さはもちろん、観られた環境もよかったのかもしれない。山口晃、あまりにも絵がうますぎて観ている間、脳みそからへんなものがドバドバ出ていた気がする。オリンピックと自分(=美術界)の関わりへの逡巡がとてもよかったです。
〇本
河出書房新社編集「7.8元首相銃撃事件 何が終わり、何が始まったのか」
金川晋吾「いなくなっていない父」
石牟礼道子「苦界浄土」
小田原のどか「モニュメント原論」
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小田原さんの「モニュメント言論」、北は北海道から南は沖縄までモニュメントにまつわる人間の歴史と今も続く課題が読めてめちゃくちゃ面白いです。いろんな展覧会の寄稿記事もまとめて読めるのうれしい。あとやっぱり「苦海浄土」ですね。
記録、それなりに取って良かったのだけどたぶん書かなくても印象に残るものは変わらないかも。2024年も備忘録でやるか検討してもいいかもしれない(惰性で続けるかもしれないが)。